感染症専門医 忽那賢志先生から、新型コロナウイルスに関する記事がでましたが、とても分かり易く良い記事なのでご紹介します。
症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること(2021年5月)
以下、内容を簡潔にまとめました。
①新型コロナウイルスの世界での広がりは?
2021年5月29日時点での世界における新型コロナ患者(発症時から累計)
• 世界感染者数:1億6928万人
• 世界死亡者数:352万人
• 世界致死率:2.1%
• 日本感染者数:738,672人
• 日本死亡者数:12,840人
• 日本致死率:1.7%
②新型コロナウイルス感染症の症状は?
・発熱
・咳
・だるさ
・食欲低下
・息切れ
・痰
・筋肉痛
・嗅覚障害・味覚障害
③新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすい人は?
まず、概ね下記のような症状分布となって、健常者はそれほど心配はいらないが、基礎疾患をお持ちの方は、年齢に関係無く重症化しやすいので注意が肝要です。
・感染者の80%は軽症で済む
・感染者の15%は中等症
・感染者の5%は重症化する
重症化しやすい人は。
・65 歳以上の高齢者
・男性
・悪性腫瘍
・慢性閉塞性肺疾患 (COPD)
・慢性腎臓病
・2型糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・肥満 (BMI30以上)
・喫煙
・固形臓器移植後の免疫不全
・妊娠後期
④新型コロナの後遺症にはどんな症状がある?
・倦怠感:15~87%
・息苦しさ:10~71%
・胸の痛みや違和感:12~44%
・咳:17~26%
⑤新型コロナウイルスの診断は?
・PCR検査は、ウイルスの遺伝子が少数であっても検出できるため、一般的に感染症の検査の中では検出力の高い検査とされます。
・抗原検査は、抗原検査は30分という短時間で検査結果を得られる点、そしてPCR検査と異なり抗原検査は感染性のある期間だけ陽性になることが長所です。抗原検査はPCR検査と比較して偽陽性(感染していないのに陽性と出てしまう)の事例が多く報告されています。
・抗体検査は過去の感染を診断するための検査です。抗体検査は個人個人の診断というよりも、感染症の全体像を把握し、公衆衛生上の対策に役立てることができます。
⑥新型コロナウイルスの治療は?
抗ウイルス薬としてはレムデシビル、抗炎症薬としてはデキサメタゾンおよびバリシチニブが国内では新型コロナに対して使用可能になっています。これ以外にも、海外の臨床研究でトシリズマブの有効性も示されています。
さらに、新型コロナでは血が固まりやすくなる凝固異常が起こることが知られており、血をサラサラにする抗凝固薬としてヘパリンなどが用いられています。
⑦新型コロナウイルス感染症の予防は?
ファイザー社とモデルナ社のワクチンは同じmRNAワクチンというプラットフォームであり、接種間隔、保存条件、アナフィラキシーの頻度など多少の違いはありますが、効果や副反応においては概ね同等と考えられます。どちらも発症予防効果90%以上と極めて高い。
アストラゼネカ社の新型コロナワクチンウイルスベクターワクチンという技術を用いていて、発症予防効果は70.4%と報告されています。
新型コロナに対し、以前にも書きましたが、自己免疫力を高めて、罹患者の80%の軽症者となるように、自己免疫力を高めることが大切です。長沢オリゴ糖のすすめをご参照ください。