大変刺激的なタイトル『コロナに殺されないたった一つの方法』(小柳津広志 東京大学名誉教授著2020年11月 自由国民社発行)を読み、簡単にまとめてみました。
以前、花粉症の記事で『花粉症は一日で治る』という小柳津先生のご著書を紹介しましたが、大腸内酪酸菌が、餌であるオリゴ糖を食べて、腸内で増加し、全身の炎症を抑えてくれるというのものでした。
そして、『腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ』という研究の結果「腸内細菌が作る酪酸が体内に取り込まれて免疫系に作用し、制御性T細胞という炎症やアレルギーなどを抑える免疫細胞を増やす働きがあることを明らかにしました」との理化学研究所の論文を紹介しました。
この酪酸菌が新型コロナウイルスにも効果があり、コロナを撃退できるというのです。
では、小柳津先生のご著書の内容を見てみましょう。
① 新型コロナウイルスは、ワクチンで撲滅できるのか
ウイルスには変異しないDNA型と変異するRNA型があり、天然痘ウイルスはDNA型で殆ど変異しないウイルスだったので、撲滅できた。
しかし、新型コロナウイルスはRNA型で変異するので、ワクチンを開発しても新たな変異型ウイルスが現れると、さらなるワクチン開発が必要とことがある。ちなみに、インフルエンザはRNA型で、変異型が出るたびに、ワクチンの開発が行われてるとのこと。
従い、ワクチン開発で予防できるのは、現存しているコロナウイルスのみであり、2020年12月に発生している変異型の新型コロナウイルスに対しては、新たなワクチンの開発が必要となる。
② 罹患率と死亡率はなぜ地域により異なるのか
湿度が高く気温が高いと罹患率・死亡率は低くなり、湿度と気温が低いと罹患率・死亡率は高くなる。
下記、アメリカにおいては、湿度と気温の低い北部の州の死亡率は南部の州と比べて非常に高くなっています。
アメリカ北部10万人あたりの死者数
ニューヨーク州 167.5
ペンシルベニア州 56.6
イリノイ州 60.8
ニュージャージー州 177.8
マサチューセッツ州 125.5
アメリカ南部10万人あたりの死者数
テキサス州 25.2
フロリダ州 34.8
ジョージア州 37.8
アラバマ州 34.1
③ 肥満と罹患率
肥満になると脂肪を含む脂肪細胞は炎症を起こす情報伝達分子の炎症性サイトカインを放出するようになります。ですから、BMIが30以上もあるかなり太った人は全身の細胞に炎症が起こった状態になっていてかかりやすくなるとのこと。
その結果、炎症の部位からコロナウイルスが侵入しやすくなります。
④ コロナで亡くなる本当の理由
サイトカイン ストームと呼ばれる免疫系の暴走により、全身に炎症を生じ、肺炎等の臓器の炎症で死亡するか、血管の炎症によりできた血栓が全身に飛んで、脳や臓器、手足等に梗塞を生じ、重症化して亡くなる。
免疫系の暴走(サイトカイン ストーム)を起こすのがT細胞で、全身に炎症を起こします。これを防ぐのが制御性T細胞(Tレグ細胞)ですが、現代人は、このバランスが取れていないようです。
⑤ なぜ基礎疾患があると死亡率が高くなるのか
高齢になると高血圧、動脈硬化症、糖尿病、心臓機能の低下、肺機能の低下、腎臓機能の低下などの基礎疾患を持っている人が増えます。これらの基礎疾患のある人は全身に慢性炎症が起きているとのこと。その結果、自然免疫の活性が低くなり、新型コロナの増殖を許し、簡単に重症化してしまうとのことです。
従い、年齢に関係なく、基礎疾患のある方や免疫抑制剤を投与されている方は、注意が必要で、重症化しやすい傾向にあるといえます。
⑥ コロナを無症状化するには、自然治癒力を高めてコロナを撃退
コロナを無症状化するには、フラクトオリゴ糖を摂取し、酪酸菌を増やし、酪酸を産出し、Tレグ細胞(制御性T細胞)を増やすことで、炎症を防ぎ、免疫力を高めることが大切です。
その結果、新型コロナウイルスは無症状化または無感染化できることになるとのことです。
根菜類等に含まれるフラクトオリゴ糖が、酪酸菌の餌となりますが、我々は、その餌が欠乏状態にあり、必要な酪酸菌と酪酸を作れないでいるようです。そこで、根菜類をたくさんとるか、オリゴ糖を直接摂取することになりますが、小柳津先生が製品化してくださった「長沢オリゴ糖」は安価で簡便に摂取しやすいのでお勧めです。
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