新型コロナ緊急事態宣言が徐々に解除され、社会生活もようやくもとに戻りつつあります。しかしまだまだ油断はできません。
先日NHK Eテレ『サイエンスZERO』で「新型コロナ論文解析SP」という番組があり、ご覧になった方も多いかと思います。とても興味深い内容でしたので、ご紹介します。
全世界5千以上の新型コロナ関連論文が、最新AI技術を使って分類化できるようになり、以下の三つにグループ化できたとのことです。
① 新型コロナ対策として、移動制限、抑制策、社会的距離、クルーズ船、ロックダウン、政府
② 精神面として、ストレス、PTSD、メンタルヘルス、不安
③ 遺伝子変異として、2019年12月から5か月間で5千種以上に変異していて、アジアタイプ、ヨーロッパタイプ、アメリカ東海岸タイプ、アメリカ西海岸タイプ、日本はアジアタイプがまずあり、3月に入るとヨーロッパタイプ、3月中旬から4月にかけ新しいアジアタイプの発生があるとのこと。
重症化した患者では、肺機能低下が知られていますが、脳梗塞、心不全、腎障害、足先の壊死等の血管の炎症による症状も観察されているとのことです。これは生活習慣病の症状と全く同じであり、免疫細胞の暴走「サイトカイン ストーム(暴走)」による血管壁攻撃により炎症が拡大され、血小板による血栓が作られ、剥がれた血栓が全身にまわって、脳梗塞、心不全、腎障害、足先の壊死等の病気を起こしているというものです。従い、既往症をお持ちの方は、重症化しやすいということになります。
これに対し、「IL-6阻害薬アクテムラ」というリュウマチ薬があり、これは免疫の暴走を抑え、重症化した炎症を抑えるのですが、その治験が開始されているとのことです。
ワクチンの開発は各国がしのぎをけずっていますが、ワクチンができれば抗体を持つことができるようになるので、新型コロナに罹って抗体ができる状態と同じとなります。全員が一度罹れば、同じ新型コロナには罹らないといえます。ただ、変異が速いので亜種に対しての免疫性については、新たな抗体が必要となるとの報告もあります。
そうすると、血管の炎症を抑える「IL-6阻害薬アクテムラ」や抗体を作るワクチンに加え、ウイルスに触れても炎症が重症化しないような抵抗力、免疫力、治癒力を持つことが大切ではないかと思います。
炎症について調べてみると「炎症反応は、病原微生物などの外敵から生体を守る防御機構の一つで、病原体の排除に重要な役割を果たしています。ところが、本来は生体を守るはずの炎症反応が、何らかの原因で過剰にしかも無制限に起こると、自己免疫疾患やアレルギー疾患を引き起こす」とのこと。
つまり、生体を守る自己免疫系が暴走することで、全身の血管に炎症を生じ、外側の炎症として、疥癬、アトピー等の皮膚病、内側では、内臓の胃や腸の炎症、潰瘍、肺炎、心臓では心筋梗塞、心不全、炎症が脳に及ぶと脳障害あるいは、血栓が飛んで脳梗塞となります。
ネットで予防対策を調べみると、ご承知のような三密を避け、マスク、手洗い、アルコール消毒等があります。また、ビタミンD、C、乳酸菌、納豆等の発酵食品が予防に良いとの書き込みも見られます。
なお、消費者庁による「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について」も確認されると良いと思います。
管理人が薦めていた「マヌカハニー」もこのリストにあります。新型コロナ予防に良いということで、価格が二倍くらいに値上がりしているので、落ち着いてから購入されるようにと書きました。マヌカ木の花粉からとれるマヌカハニーには、殺菌作用がありますので、口腔内、奥鼻腔、喉のの炎症を抑えてくれますので、それなりの効果は期待できます。
2020/07/02現在、マヌカハニーが、平常価格に戻っています。
では、根本的には、これらの炎症に対しどうすればよいのか。理化学研究所の研究によれば、大腸内の酪酸菌が作る酪酸が「制御性T細胞(Tレグ細胞)」を作り、「自己免疫疾患や炎症性疾患、アレルギー疾患などを引き起こす過剰な免疫応答を抑制する役割」があるとのこと。つまり、免疫細胞の暴走を抑えるとのこです。
詳細は下記をご覧ください。
従い、大腸内の善玉菌である酪酸菌を増やし、自己免疫力、治癒力を高めるておくことが大切です。酪酸菌のサプリメントもありますが、酪酸菌そのものを自然に増やす方法が良いと思います。
具体的には、酪酸菌等 腸内善玉菌のエサであるゴボウ等の根菜類の摂取が良いです。これは、オリゴ糖をたくさん含んでいて、オリゴ糖が酪酸菌のエサとなり自然に酪酸菌が増殖し、酪酸を産出します。この酪酸が過剰な免疫反応を抑えて、バランスをとります。
また、オリゴ糖を直接摂取することも、大いにお勧めします。以前管理人が紹介しました小柳津東大名誉教授が作られた「長沢オリゴ糖」はとても良いと思います。
新型コロナウイルスは、今後も変異を繰り返していくようですので、このウイルスと「With Corona(コロナと共存)」していくこととなります。これから様々な知見が得られるでしょうが、わたくし達自身の自然治癒力を上げておくことが、新たなウイルスが体内に入ってきても、重症化せず、ウイルスと共生することが可能になります。
釈尊は『中阿含経 十六伽藍経』「不殺生戒」について
「多聞の聖弟子、殺を離れ、
殺を断じ、刀杖を棄捨し、
慚有り、愧有り、
慈悲心有りて、
一切乃至昆虫を饒益す。
彼殺生に於てその心を浄除す」とあります。
殺生への慚愧の心を持ち、慈悲の心を持ってすべての生き物ないし昆虫に至るまで、饒益するように説かれている。
つまり、昆虫に至るまでという、このフレーズはコロナウイルスでも、慈悲心を持って饒益するようにせよと読めませんか。それはストイックすぎるとおっしゃるでしょうが、釈尊はすべての生きとし生けるものへの慈しみの心を、いつもお持ちであったのでしょう。現代人のわたくし達が、釈尊のご指導に従うためには、自然治癒力を高めてウイルスと共生していくことだと思われませんか。合掌
20200607作成 20230219